ウイズコロナ・アフターコロナ時代に考えておきたい医療接遇
医療者の患者応対向上のためのご提案
2023.5月8日から新型コロナウイルスは2類から5類へと移行されましたが、専門家の多くは、引き続き感染対策が必要だと言っています。また厚生労働省の1月に行われた専門家会合では、今後の身近な感染対策について「政府の要請に基づく一律の対策から、個人や集団が流行状況やリスクに応じて主体的に選択して行うことになる」とする考え方が示されました。
これからも感染対策に対する自院の方針を分かりやすく打ち出し、今までと同じように基本的な感染対策に取り組み、患者さんが安心して来院できる環境を提供していかなければいけません。
厳しくなった患者さんのチェック意識
なんといっても医療機関に求められるのは医療への信頼です。しかしコロナ過ではその信頼が病院の玄関から始まることになりました。
患者さんは自分の病気への不安をもって来院されますが、今では「感染への不安」というダブルパンチです。「感染対策は大丈夫だろうか」と、病院の玄関を一歩入る時から、厳しくチェックされるようになったのです。
安全のために不可欠な環境整備
環境を整える時まず行うのが「5S」です。
「5S」とは 整理・整頓・清掃・清潔・しつけ(習慣化)です。
これは昔から環境整備の基本と言われていますが、現在はこの5Sが、
【整理・整頓・清掃・清潔・しつけ(習慣化)+新しい生活様式】というように、感染対策を加えていくことが求められるようになりました。
まずこの点を徹底しているという信頼がなければならないということです。
「安心安全ならいい」ではなく「安心安全で感じもいい」が大事
「それなら徹底的に消毒して換気しておけば大丈夫」と言えますが、患者さんの満足感となるとそれだけでは十分なレベルとはなりません。やはり医療は人と人の間で行われるもの。いくら非接触スタイルが望まれる社会環境とはいえ、心の接触をなくしてはいけないのです。それどころか、不安が増しているからこそ大事にしなくてはいけないものなのです。
安心安全を確保したうえで、それをどう感じよく提供していくか。その時活躍するのが「医療者の接遇」に他なりません。
コロナ過で広まった「感染対策への意識」はこれからも続いていくと思います。ウイズコロナ・アフターコロナ時代の中で、医療の接遇のあり方はますます重要なものになっていくのではないでしょうか。
ハード(設備・知識・技術)とソフト(応対技術・コミュニケーション能力)のバランスのとれた医療環境で、患者さんの満足度をしっかり向上させてください。
©医療接遇のケイズオフィス